日本の再生可能エネルギー法のもとで宇宙太陽光発電事業に係る認定を受けることができるか

宇宙領域の活用方法の一つとして太陽光発電所を宇宙空間に建設することが検討されています。
宇宙の光は大気を通過しないため「青色波」のエネルギーを保持しており、地球に届く太陽光よりも強力であるため効率よく太陽光発電ができるとされています。
CNNによれば、米国防総省の研究チームがこのほど、宇宙空間でピザの箱ほどの大きさの太陽光パネルの試験に成功したとのことです。
CNN.co.jp : 宇宙でエネルギーを集める太陽光パネル、将来は地球各地に電力供給か

では、宇宙太陽光発電事業について再生可能エネルギー法に基づく事業認定を得ることができるでしょうか。

再エネ法は、宇宙太陽光発電事業をその対象から除外していませんので、同法で定める以下の基準を満たす限り事業認定を得ることができます(再エネ法9条3項)。
一 再生可能エネルギー発電事業の内容が、電気についてエネルギー源としての再生可能エネルギー電気の利用の促進に資するものとして経済産業省令で定める基準に適合するものであること。
二 再生可能エネルギー発電事業が円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。
三 再生可能エネルギー発電設備が、安定的かつ効率的に再生可能エネルギー電気を発電することが可能であると見込まれるものとして経済産業省令で定める基準に適合すること。

上記第1号については、経済産業省令で定める基準のうち下記が問題になりそうです。
「特段の理由がないのに一の場所において複数の再生可能エネルギー発電設備を設置しようとするものでないこと。」(施行規則5条1項2号)
・・・宇宙において「一の場所」をどう解釈するかについては、「一の場所」とは同一の軌道をいうものとし、また、仮に同一の軌道上に複数の太陽光発電衛星を配置したとしてもITUが認めたものであればそれは「特段の理由がある」と解釈できそうです。

上記2号については、経済産業省令で定める基準のうち下記が問題になりそうです。
「当該認定の申請に係る再生可能エネルギー発電設備を設置する場所について所有権その他の使用の権原を有するか、又はこれを確実に取得することができると認められること」(施行規則5条の2第2号)
・・・またもや「場所」をどう解釈するかの問題となります。
さきほど同様、軌道をもって「場所」と解釈することが合理的であるように思われます。
また、「場所について所有権その他の使用の権原」については、アメリカなどは宇宙資源についての私的領有を認めていますが、宇宙空間についての領有権を主張することは宇宙条約上いまだ難しいと考えられるため(詳しくは当研究会会員の星弁護士のブログ参照(3分でわかる宇宙資源をめぐる法律)、「軌道の所有権」を主張することはできないでしょう。
しかし、ITUから軌道の位置の割当を受けることで「場所について…その他の使用の権限」があると解釈することもできるように思われます。

再エネ法にはそのほかにも技術的基準が定められており、また、経済的合理性も検証する必要がありますが、法的には、宇宙太陽光発電事業を再エネ法のもとで実施することは必ずしも不可能ではないと考えられます。

文責:鈴木 泰治郎

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